「くだらない」という言葉の由来について説明します。
江戸時代、上方(大坂や京都)から江戸に送られてくる品々を「下(くだ)りもの」と呼び、江戸から上方に送られるものは「登(のぼ)せもの」と呼ばれていました。これは、千年の都である京都に対して、江戸が新興の地方都市であったため、上方に向かうことを「上る」、江戸に向かうことを「下る」としたことに由来します。
江戸は大消費地であり、上方から多くの品々が送られていました。特に灘、伊丹、伏見の清酒は「下り酒」として重宝されました。一方で、江戸の酒は「下り酒」に対して質が劣るとされ、「下る」ことができないため、「くだらないもの」と見なされました。こうして、「くだらない」という言葉は、「とるに足らない物」を意味し、由緒がない、出どころがわからない粗悪なものを指すようになりました。
このように、「くだらない」という言葉は、上方から見た江戸の品の評価を反映して生まれたものです。
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