「ウィルキンソン タンサン」はどこ生まれ?

1872年、イギリス人実業家のジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が日本にやってきました。ウィルキンソン氏は、日本では「ソーダ(炭酸水)」が一般に売られていないと考えていました。そんな彼がある日、兵庫県宝塚で偶然にも炭酸鉱泉を発見します。この発見は、彼の事業に大きな影響を与えることになりました。

ウィルキンソン氏は、すぐにこの鉱泉水をロンドンの試験場に送り、詳細な分析を依頼しました。その結果、この鉱泉水は世界的に見ても食卓用として非常に優れた品質であることが判明しました。これにより、ウィルキンソン氏はこの鉱泉水を瓶詰めして販売する計画を立てました。

1890年頃、ウィルキンソン氏は全ての資材や設備を英国から取り寄せ、本格的に鉱泉水の瓶詰め生産を開始しました。こうして「TAKARADZUKA MINERAL WATER(宝塚ミネラルウォーター)」が誕生し、市場に送り出されました。さらに、1893年には当時の英国領事と相談し、「ソーダ」に相当する言葉として「TANSAN」を商標に制定しました。これにより、ミネラルウォーター「TANSAN(タンサン)」が発売され、多くの人々に親しまれるようになりました。

このようにして、「ウィルキンソン タンサン」は誕生しました。イギリス人であるウィルキンソン氏の手によって生み出されたこの製品は、日本の地で発見された鉱泉水を使用して作られた、日本生まれの商品なのです。「ウィルキンソン タンサン」は、異国の地での偶然の発見と、品質を追求する情熱が結びついた結果として、多くの人々に愛され続けています。


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