「ショートケーキ」の「ショート」とは、何を意味するのでしょうか?それには、発祥地であるアメリカのショートケーキを知る必要があります。
アメリカのショートケーキは、日本で知られている柔らかで繊細なショートケーキとは異なり、サクサク・ポロポロのビスケット生地に生クリームと苺を挟んで層状にしたケーキです。元々、ショートケーキとはショートニングを使って焼いたケーキという意味があるそうです。
このショートニング(shortening)とは、『サクサクさせる、ポロポロにする』という意味を持つ、植物油や動物油脂を原料とした練りこみ専用の固形油脂です。軽い食感を出すことができるため、お菓子作りには欠かせないものとなっています。
では、日本流のショートケーキは、どのようにして生まれたのでしょうか?
「不二家」創業者の藤井林右衛門氏が、1912年にアメリカの洋菓子市場で、スコーンのようにサクサクしたビスケット生地と生クリーム、いちごを重ねた「ショートケーキ(shortcake)」を目にします。彼はそれを日本人の口に合うようにカステラ生地にアレンジし、1922年に発売しました。これが日本でのショートケーキの先駆けといわれています。
ということで、日本のショートケーキにはショートニングは入っていないのですが、名前だけが残っているのです。ちなみに、日本のショートケーキは、英語で「sponge cake」となります。
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