日光東照宮の陽明門の逆柱について

日光東照宮にある陽明門は、12本の柱が特徴で、それぞれに中国の堆朱に見られるようなグリ紋様の美しい曲線が施されています。この門は、その華やかな装飾から「日暮門」とも称され、見飽きることがないと言われています。

特に注目すべきは、陽明門をくぐり抜けた先、北側(背面)の西から二本目の柱です。この柱は他とは異なり、逆さまに立っています。これは「満つれば欠ける」という諺に基づき、不完全な要素を意図的に加えることで、完全さを避け、魔除けの役割を持たせているとされています。つまり、陽明門はあえて未完成の状態にされているのです。

さらに、昭和62年5月に、本社の拝殿・石の間・本殿を仕切る16本の柱の中にも2本の逆柱が発見されました。これにより、逆柱は合計で3本存在することが確認され、「魔よけの逆柱」として知られるようになりました。この逆柱は、日光東照宮の建築に込められた深い信仰と工夫を象徴しています。



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