誕生石の起源にはさまざまな説があります。
最初に12種類の宝石が登場するのはバビロニア帝国です。そこで使用されていた12星座と星座石が現在の誕生石の原型になったという説があります。
次に、旧約聖書の「出エジプト記」において、ユダヤ教の高僧たちが胸に身に着けていたプレートに12種類の宝石が付けられていたという説もあります。そして、新約聖書の「ヨハネ黙示録」には、エルサレム城壁の土台に飾られていた12種類の宝石が記されています。これが誕生石の由来とする説もあります。
このように、誕生石の起源には複数の説が存在します。
誕生石を身につける習慣が広まったのは18世紀にポーランドに移住したユダヤ人によるものとされています。小さくて資産価値の高い宝石は、商売に長けたユダヤ人にとって理想的な商品だったのです。古くから宝石に関心を持ち続けた彼らは、20世紀にアメリカに渡り、そこで再び誕生石を広めました。現在では、誕生石は多くの国で親しまれています。
1912年、アメリカの米国宝石商組合(現在のJewelers of America)によって正式に「誕生石」が制定され、1952年には改訂を経て現在の形になりました。
日本では1958年に全国宝石卸商協同組合が誕生石を制定しました。また、イギリスやフランスなど、各国でも誕生石が制定されました。時代を経て、人々の好みや宝石商たちの販売戦略が加わり、現在の「誕生石」が形作られてきました。
誕生石には長い歴史とさまざまな文化が込められています。自分の誕生石を身につけることで、その歴史や文化に思いを馳せてみるのも素敵なことかもしれません。
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