缶飲料には、アルミ缶に入ったものと、スチール缶に入ったものがあります。これらは何が違うのでしょうか?
アルミ缶はスチール缶に比べて軽く柔らかい特性があり、容器の強度を保つため、炭酸飲料や窒素充填された果汁飲料などで多く使用されています。また、さびにくく輸送しやすいというメリットもあります。
しかし、缶コーヒーではスチール缶が主流です。これは、ミルク入り飲料に対する衛生管理の面から、自主規制があったためです。
缶飲料ではボツリヌス菌が危険で、スチール缶では菌の増殖により缶が膨張し、消費者が気づくことができますが、アルミ缶は内圧が高められているため気づきにくいのです。
1985年に日本缶詰びん詰レトルト食品協会は「高温殺菌を必要とする飲料」にアルミ缶を使わないよう自主規制しましたが、研究の結果、ミルク入り飲料だけが特に危険と判明し、1988年からは規制が緩和されました。さらに2014年8月には、全国清涼飲料工業会に届け出をすればミルク入り飲料でもアルミ缶が使用可能となりました。
こうして、コーヒーにもアルミ缶の使用が認められ、容器の使い分けの制限は徐々になくなってきています。
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