「ハト=平和の象徴」となった理由

ハトが平和の使者とされる背景には、旧約聖書『創世記』に描かれている「ノアの方舟」のエピソードがあります。この物語では、大洪水が起こった後、ノアは水が引いたかどうかを確かめるためにハトを放しました。最初に放ったハトは、水がまだ引いておらず、降りる場所がなかったため戻ってきました。ノアは7日間待って再びハトを放すと、ハトは夕方になってオリーブの小枝をくわえて戻ってきました。これを見たノアは、水が引いたことを知ったのです。この出来事から、ハトとオリーブの小枝は、神の怒りが収まり再び平和が訪れた象徴とされるようになりました。

このハトとオリーブの組み合わせが平和の象徴と信じられるようになったのは、キリスト教の信仰が広がっていた地域に限られていました。しかし、この象徴が世界中に広まるきっかけとなったのは、スペインの画家パブロ・ピカソが大きく関与しています。

1949年、パリで開催された国際平和会議のポスターに、ピカソは白いハトの絵を描きました。このポスターは非常に有名になり、ハトが平和の使者というメッセージは日本を含む世界中に広まりました。このように、ノアの方舟のエピソードとピカソの芸術が組み合わさり、ハトは世界的に平和の象徴として認識されるようになったのです。



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