「埒(らち)」は、もともと馬場の周囲に設けた柵や囲いを意味し、そこから転じて、物事の区切りや限界、仕切りの意味で使われるようになりました。
「埒を明ける」「埒を付ける」は物事に決まりをつける意味であり、「埒を越える」は法や掟を破ることを指します。また、「埒外」は一定の範囲の外を意味し、その対義語が「埒内」です。
「埒が明かない」は、物事が進展しないという意味で、もともとは「物事の決まりがつく」という意味の「埒が明く」からきていますが、現代では否定形の「埒が明かない」が多用されます。この表現の語源には諸説ありますが、その一つに平安時代の競べ馬(馬の競走)で、馬場の囲いの埒が開かれないと競走が始まらなかったことに由来します。
また、「不埒」とは、柵を無視して規則を破る者を指し、そうした行為をする人を「不埒なヤツ」と呼ぶようになりました。
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